教科書の図?

板書

今日も、バタバタとしているうちに、一日が過ぎていってしまいました。職員会議があったのですが、去年1年間で、170冊もの本が、図書館から紛失しているのだそうです。生徒数を考えると、ちょっと、多すぎ、・・・。
最近、理科授業のことについて考えている時間が長いです。授業準備に使う時間も、やっぱり長いです。「電気」の分野は、ちゃんと理解しておいてもらいたいと考えています。もちろん、他の分野も大切ですが、・・・。
「モーター」について、解説をしました。去年は、「モーターの仕組み」についての生徒の理解度は低かったです。もともと、パプアでは、「モーターの仕組み」をちゃんと理解していなくても、テストで困ることがありません。テストでは、「電機子」(armature)と「整流子」(commutator)という部位の名前と、「モーターって、なんか磁石と関係がありそうだな〜。」くらいのイメージが出来ていれば、テスト問題は、なんとか乗り切れます。
昨年、現地の先生の授業を見学させてもらったのですが、かなり驚きました。「モーターの仕組み」を解説するための実験と称して、その先生が、行った実験というのは、磁石に磁石を近づけるだけ、というものでした。「磁石のN極に、N極を近づけると、反発する。」、「ほら、接触していなくでも動くでしょ!!」、「これが、モーターの仕組みだよ!!」、「わかった???」(先生が、みんなに問いかける。)、「は〜い。」(生徒が一斉に返事をする。)ちなみに、電磁石とかの説明は、まったくなしです。後日、説明しているとは思いますが、・・・。
これは、理科の授業じゃなくて、「超能力」か、「手品」の世界だと思いました。その先生の名誉のために、フォローすると、これは「その先生」の授業が悪いとか、その程度の問題ではありません。「教師用指導書」に沿った授業です。「教師用指導書」に紹介されている実験です。それとは別に、「電機子」と「整流子」という単語を、生徒に暗記させてしまいます。
「モーターの仕組み」を、理解していなくてもテストが乗り切れるとしても、「論理的に飛躍した説明」を聞いて、「は〜い。」と答えてしまう生徒を大量生産してしまうのは、絶対に嫌なので、段階を踏んで、モーターの仕組みを説明しました。ここで書くとくどくなるので、詳細については、省略します。
感触としては、昨年よりも、ずいぶん理解してくれていると思います。去年は、動くモーターの実物がなかったのですが、今年は、7月22日のブログの写真のとおり、実物を示すことが出来たことも、良かったです。
教科書の図が、あまり良くなかったので、プリント(handout)の図を見せながら説明をしました。でも、やっぱり教科書の図についても、フォロ−する必要を感じて書いたのが、写真の板書です。
教科書の図の駄目なところは、矢印があって、名称が書いてあるのですが、その矢印が何をさしているのか、非常に分かりにくいことです。日本の教科書では、このようなことはありません。
ちなみに、「電機子」(armature)は、「鉄心」と「コイル」の両方を指します。教科書では、「鉄心」を指しているのか、「コイル」指しているのか、わかりません。そもそも、素材が「鉄」で、「鉄心」だよ!!っという情報は、教科書には書いてないですし、・・・。
「整流子」(commutator)は、ブラシの接する部分です。黒板の手前の「赤」と「青」の部分です。ちなみに日本だと、ブラシ(Brush)の方をテストで出題されることが多いかも、・・・。こちらでは、ブラシについては、テストで出題されることは、あまりありません、・・・。