留学したい?

AusAID資料

午前中、ある小学校の先生が訪ねてきました。初対面です。自分のことは、既に帰国した隊員から知ったそうです。
話を聞いてみると、「JICAのトレーニングコースに参加したい。」ということでした。基本的に、こういう場合、その人が、「何を勉強したいのか?」よく話を聞くことにしています。小学校の先生で、社会科を教えるのに役に立つような勉強をしたいそうです。パラオ隊員が来た時、その学校で、「日本の地下街」についての話をしてくれた。とても良かった、・・・。などなど、その先生の、トレーニングコースに参加したい動機については、理解できました。
ただ、JICAのトレーニングコースには、その人に適切なコースはありません。たとえば、「官庁統計の解析、解釈及び公表(アジア太平洋統計研修所)」とか、「地震津波火山観測システムの運用・管理(名古屋大学)」など、かなり専門分野をしぼった研修が設定されています。
パプアへ帰国後、研修の成果が、無駄になってしまっても、困ります。その先生の場合、生徒向けのコンピューターが一台も無い学校に所属しているので、コンピュータ−関係の研修を受けても無駄になります。
話を色々と聞いていくと、「オーストラリアのビクトリア大学に、願書を提出するつもりでいる。」ということが分かりました。実は、この大学、調べたことがあります。「ビクトリア大学を受験したい。」という相談をパプア人から受けるのは、今回がはじめてではありませんでした。
日本でも、「大学全入時代」ですが、オーストラリアも、似たようなものなのでしょう、・・・。オーストラリア国内だけでは、生徒を確保できないのでしょう。ビクトリア大学は、ココポで、昨年、大学入学説明会をしたそうです。彼は、オーストラリアの奨学金にも申し込むつもりだそうです。
自分としては、「オーストラリアの奨学金にしぼった方が良い。」とアドバイスしました。パプアニューギニア人であれば、オーストラリアの(途上国学生向け)奨学金は、それほどハードルが高いものではありません。オーストラリアは、パプアニューギニアを、特別扱いしています。
昨年入手した資料によると、オーストラリアは、AusAIDで、約1000人の発展途上国からの奨学生を受け入れています。その構成は、インドネシア29%。ベトナム15%、パプアニューギニア12%、フィリピン8%です。
つまり、1年で、国費留学だけで、約120人もの留学生が、パプアから、オーストラリアに渡っているということになります。写真は、その資料です。
彼は、オーストラリア大使館に、奨学金について問い合わせをして、「2月頃の新聞で、公示するので、注意してみるように。」と、言われたそうです。日本大使館奨学金も、ほぼ同じ時期に新聞掲載されると思います。ただ、日本は、パプアニューギニアを特別扱いしていないので、試験にパプアニューギニアの人が、なかなか合格できません、・・・。他の途上国からの志願者との競争に歯が立ちません。パプアニューギニア人は、数学が超苦手なのです、・・・。

「2年前の今日」の日記

http://d.hatena.ne.jp/tama2/20050127