村社会2?

パソコンの画面

先週から、Microsoft-パワーポイントを、授業で教えているのですが、相談して、同じようなものを作ってしまう傾向が顕著に見られます。昨日までは、どちらかと言うと、「O.L.S.H.ブナポペ高校は良い学校だ。」とか、「スポーツ」とか、明るい話題が続いていました。どちらかと言うと、「明るい」話題が多かったです。
ところが、今日はある生徒が、「パプアニューギニア政府による売春(prostitution)の合法化について」というテーマを選ぶと、ほとんどの生徒が、パプアニューギニアの社会問題をテーマとして選びました。かなり「暗い」話題です。
パワーポイントのデータを作り終わった後、順番に発表をしてもらったのですが、この国の社会問題が、深刻であることを、改めて実感しました。かなり深刻な、エイズ、レイプ、ドメスティックバイオレンスについて、生徒達の身近な問題として感じていることが、ひしひしと、伝わってきました。生徒達は、「新聞」などのメディアを通してではなく、生徒達の身の回りで起こっていることとして、これらの社会問題を把握しているようです。ちなみに、このココポという地域の治安は、パプアの中では、かなり良いと言われている場所です。
20人近くの発表を聞いていて、気が重たくなったのですが、一人だけ「読書は、人生にとって大切。」というテーマで、プレゼンをしてくれました。最後に、「一生懸命勉強をすれば、ほとんどの人は、仕事を得られる。」という文字の画面で、プレゼンを締めくくってくれました。そこまではよかったのですが、「ほとんどの人」って、ちょっと大げさじゃない?パプアで、仕事がある人って、わずかだし、・・・。と思って、「本当???」と、聞いてしまいました。答えは、かなり自分にとってはショッキングなものでした。「パプア以外の国では。」というのが、彼女の答えでした。そして、「パプアでは、ワントクシステム(強いコネ制度)で、仕事が得られるか、得られないかが決まる。」と、続けると、周りの生徒も一斉に、「そう、そう。」と、言いました。なるほど、「勉強しよう。」というインセンティブ(励みとなるもの)が、パプアには、無いようです、・・・。自分でプレゼンで発表したことを、「全否定」する生徒がいることは、予期していませんでした。パプアって、なかなか、「思っていることを言えない社会」らしいのです。みんな思っていることは、同じだったりするのに、・・・。