百科事典?

パプアの百科事典

パプアに来た頃は、それほど感じていなかったのですが、「学校図書館」って、貴重な存在です。というのは、この国には、一般書籍を扱う本屋がないのです。
授業終了後、図書館の本で授業に使える本がないか、チェックしていました。ほとんどの本は、古本です。以前は、オーストラリアの学校図書館にあったものが多いようです。古本とはいっても、無料ではなくて、オーストラリアで、新しい本を買うのと同等のコストがかかっています。無償譲渡された古本ではなく、ある程度の値段で買い取ったものを、航空便で送ってくるため、送料を含めると、新しい本と同等の値段になってしまうようです。
1冊毎に、そのコストと、コストの負担者である「オーストラリア政府(AUS Aid)」のスタンプが押されています。「オーストラリアの援助って、パプアのためじゃなく、オーストラリアのためにやっている。」と、現地の人が、感じている一因がこの辺りにもあるのかもしれません。たしかに、オーストラリアの学校は、ODAの予算の一部を、「廃棄本」と引き換えに手にすることが出来る(と、考えられる)からなのでしょう。
あと、オーストラリアの援助で、コンピューター(中古Macintosh)が、かなり導入されています。そのため、数年前の遅いMacintoshばかりを、パプアの人が目にするため、パプアでのMacintoshの評価は、とても悪いです。「とっても遅いパソコン。」、「無料で手に入るパソコン」と、いわれています。日本人である自分が、「Macintoshを使っている。」と言うと、かなり、意外な表情で受け止められます。(自分の配属先では、例外的に、学校の予算で、windowsコンピューターを購入しています。)
話が脱線しました。ごめんなさい。どんな背景があるにしても、学校図書館の本は、本当に貴重です。本屋のないこの国で、本を手に入れることは、とても困難です。写真は、パプアの百科事典です。といっても、完全にオーストラリアの視点で(たぶん、オーストラリア人が)書いています。第二次世界大戦の記述を読んで、明らかにそのことが読み取れます。もちろん、オーストラリアの援助(AUS Aid)で、購入したものです。