鎖国?

プロジェクターの画面

社会科の授業で、グレード10を対象に、レクチャーを頼まれていたのですが、1学年全員(約250人)を相手に、ホールで授業をすることになりました、・・・。「生徒達がどの程度関心があるだろうか?」とか、「250人、自分の声が聞こえるだろうか?」とか、いろいろ心配していたのですが、大丈夫でした。
写真は、その一コマです。日本語があるのは、この最初のタイトルだけ、・・・。非常に集中して聞いてくれました。自分が説明をしていた時に、社会科の先生が、「しまった、・・・。」という顔をしていたので、後で聞いてみたのですが、自分が生徒に投げかけた質問は、グレード9で既習の内容だったのに、生徒の誰一人として覚えていなかったので、ショックだったそうです。実は、社会科の先生の前で、社会を教えるのは、かなり緊張していました。もし、間違えたことを教えてしまったらいけないし、・・・。そうではなくて良かったです。
その投げかけた質問というのは、「大航海時代は、何の輸入ルートを求めて、はじまったのでしょう?」というものです。正解は、「香辛料」です。ただ、この質問は、パプアの人には難しかったかもしれません。レクチャー後の、雑談でわかったことですが、その社会科の先生も、料理に香辛料は使ったことがないそうです。香辛料の使い方も知らないそうです。「正解はこれだよ!!」と見せた、ちかくの(外国人向け?)アンダーソン・フード・ランド、スーパーマーケットで買った香辛料をみて、「パプアで買えるの?」と聞かれてしまいました、・・・。(社会科の先生には、)実際に、香りを確認してもらったり、使い方を教えたりしました。やっぱり、見たこともないことを、名前だけ覚えるのは、つまらないから、グレード9の授業の時、実際に「香辛料」を見せて、授業してくれると、生徒にもイメージがつかみやすいかも、・・・。
あと、パプアの教科書は、鎖国のポジティブな面を取り上げているのですが、「パプアも、鎖国していれば、植民地にならなかった。」という印象を与えないように気を使いました。つまり、パプアは、「鎖国をしたくても出来なかった。」という現実があります。日本は、「当時、政府の組織もしっかりしていた。」などの特殊要因があるから、鎖国が出来たということも理解してもらうように気を使いました。パプアの教科書ではdaimyo(big man)と書かれているのです。これは、パプアの生徒に、誤解を与えてしまう。「大名」は、「酋長」とか、レベルでイメージすると、全然違う、・・・。
この心配については、杞憂だったようです。社会科の先生は、この学校に異動になる前に、日本に研修に行ったことがある人です。今の皇居(江戸城)のお堀を見て驚いたときの話をしてくれました。「なぜ、日本が鎖国を出来たか?」ということは、皇居のお堀を見れば、一目瞭然だったようです、・・・。