ジパング?

コロンビア大学教授

パプアニューギニアという国は、日本と似ていると思うところもあります。もちろん、教育水準など、全く違うところの方が多いのですが、・・・。
一番似ていると思うところが、「金」が、採れるということです。Goldです。日本は、「黄金の国ジパング」と言われたぐらい、金が採れた国です。パプアは、あまり有名ではありませんが、今でも輸出するほど金が採れる国です。
かなり大規模に、金の採掘をしています。先日も、飛行場でミャンマーから来ている人に、会ったのですが、金の採掘のプラントを作るために来ているという話をしていました。その人の仕事は、地熱発電所を作ることだそうです。この国のインフラはあてにならないので、地熱発電所を作って、金の精錬のプラントの電力供給に使うのだそうです。この国に、地熱発電所があるとは知らなかったので、ビックリです。
金にしても、原油にしても、採掘には、特殊な技術を必要とします。パプアにはその技術はありません。外国とのジョイントベンチャーで、採掘をしています。わかりやすく書くと、「パプアは何もできないので、採掘権を売って、利益の一部をもらっていいる。」というところでしょうか、・・・。そして、輸出先を見ればわかる通り、ジョイントベンチャーの企業は、ほとんどがオーストラリアの企業です。利益の一部を、パプア政府に支払うという約束で、オーストラリア企業が採掘をしているのが現状です。この国は、独立して30年経ちますが、本当の意味での、オーストラリアからの独立は、まだまだ、先です。

輸出(2002年)U.S.$1,638,000,000、(金 36.0%; 原油 22.5%; 銅 16.0%; 木材 5.7%; パーム油 5.1%)
輸出先 オーストラリア 49.3%; シンガポール 18.8%; ニュージーランド 4.4%; 日本 4.2%
(ブリタニカ百科事典より引用)

外国人の自分の目から見れば、これだけ資源が豊富であれば、オーストラリアからの、経済的、外交的、独立は、簡単です。でも、パプアニューギニアの人は、オーストラリア人が大好きなので、この関係を続けたいようです。
NHKを見ていたら、「日米関係」を扱う番組を放送していました。番組では、外交的には、米国に依存している現状を指摘していました。NHKの番組は、米国ばかりを気にする日本の姿勢に対して警鐘を鳴らすものでした。米国の大学教授ジェラルド・カーティス氏を、はじめとした出演者が、日本は日米関係ばかりではなく、対アジアの国々(特に、中国、韓国)との関係をしっかりと築くべきと、指摘をしていました。外国人の視点だから、客観的に見られるという事があるのだなぁと思いました、・・・。
そう言えば、パプア人が、オーストラリア人を大好きなのも、日本人が、アメリカ人を大好きなのと似ている、・・・。