国が変われば?

ソマレ大統領

パプアニューギニアに住んでいると、いろいろな国のテレビニュースを見ます。CNN(米国)、BBC(英国)だけではなく、パプアニューギニアのテレビニュース、7、ABC、SBS(オーストラリア)のテレビニュースを見ることもあります。あと、言葉がわからないのですが、中国、フィリピン、ドイツのテレビニュースなども見ることは可能です。
オーストラリアのニュースで、大きく取り上げられているのが、フィリピンで開催された、「東アジアサミット」です。オーストラリアのニュースを見ていると、石炭を中国に対して輸出する話ばかり、報道しています。ハワード首相、ほんとうに、嬉しそうです。(ブログにもちょっと書きましたが、)10月26日のテレビで見た、苦渋に満ちたハワード首相とは、別人のようです。集合写真の撮影時も、アジア諸国の首相に、中央のポジションを譲って、端から2番目くらいの位置にいます。26日のテレビで見た、記念写真で、中央で孤立している姿とは対照的です。
オーストラリアのニュースを見ていて、分からなかったのは、「オーストラリアのクリーンな石炭」という表現が、使われていたことです。どういう意味で、「クリーン」を使っているのだろう???二酸化炭素の排出量が少ないという意味???
中東からのエネルギー依存を減らそうという話もしているようなので、「中東=ダーティー」、「オーストラリア=クリーン」ということ???BBC(英国)のニュースサイトも調べてみたのですが、"Clean Coal"が、何を意味するのか、見つけることができませんでした。
どちらにしても、「エネルギーの安定供給」が、テーマであることに、間違いありません。資源輸出国であるオーストラリアにとっては、対中国や、対インドの輸出増加が期待できる話のようです。
この会議には、日本の安倍首相も出席しています。日本のニュースサイトも調べてみたのですが、会議の主題であるエネルギー問題について、どのような話し合いがされたのか、まともに報道しているページは、見つけることができませんでした。ほとんどが、議長声明での「拉致問題」の扱い方についてばかり、報道しています。主題(エネルギー問題)についても、しっかり報道してほしい、・・・。
Googleで調べてみると、まともな情報は、外務省のページにありました。日本は、「石炭のクリーンな利用(「石炭液化支援センター」の建設等)」について、表明したようです。
オーストラリアでのトップニュースは、「東アジアサミット」ですが、5番目くらいのニュースに、Moti事件というのがあります。オーストラリアが性的虐待の容疑で指名手配していたMoti弁護士が、パプアニューギニアで、身柄拘束されたのが、事件の発端です。パプアニューギニア政府が、オーストラリアに対して、犯人引き渡しに応じず、(理由がよくわからないのですが、)パプアニューギニア軍の飛行機で、ソロモン諸島へ容疑者が、逃亡したというものです。
この件は、オーストラリアとしては、「忘れかけのニュース」でした。ところが、パプアニューギニア首相マイケルソマレ氏の発言が、問題を「忘れかけのニュース」から、「忘れられないニュース」にしています。
(大雑把ですが、)ソマレ氏の発言主旨は、「直接の命令は、一切していない。閣僚のメンバーからは、直接の指示はしていない。悪いのはオーストラリアだ!!」というものです。
もし、これからは、「オーストラリア」との関係を捨てて、「中国」と仲良くしていこう。っという戦略の一環として、意図的にオーストラリアを怒らせているのであれば、マイケルソマレ氏は、世界的にも稀な、有能な政治家であると思います。
ただ、その可能性は、あまり高くないと思います。2年間近く、パプアニューギニアで、生活してきて、感じるのは、Moti事件の本質は、「単に、パプア人が、謝るのが下手」というだけの問題でないかという気がします。
日本であれば、「遺憾の意を示す。」とか、色々な表現がありますが、パプアニューギニアの現地語(ピジン語)では、そういう微妙なニュアンスを表すことは、無理です。というか、そういう微妙なニュアンスを考えることは、パプア人には、できないのです。
ニュースレポーターは、「パプアニューギニアでは、4ヶ月後に選挙があります。パプアの選挙民は、馬鹿でないので、ソマレ氏は、首相を続けられないでしょう。」っと、締めくくっていましたが、どうなるでしょう???写真が、オーストラリアのABCテレビのインタビューに答える、マイケル・ソマレ氏です。

BBC Trouble brews in Pacific paradise

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http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/6080158.stm

外務省発表 第2回東アジア首脳会議(概要)

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http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eas/shuno_2nd.html