パプアの本音?

パプアの新聞

今日は、独立記念日です。去年は、それほど意識していなかったのですが、こういう記念日前後の新聞を読むと、「パプア人がオーストラリア大好き!!」ということが、本当によく分かります。
パプアに来て、「ストレス」と感じることがありました。ひとつは、パプア人と話をしていると、「パプアについてどう思う?」という質問があります。パプア人は、「いい国だよ。」という程度では納得せず、「世界一の国で、一生、住みたい。」という答えまでを期待します。もう一つは、「オーストラリアは、嫌い。」ということを、言わせようとするところがあります。
一つ目の質問ですが、背景としては、「パプアは、外国人に駄目な国と思われている。」ことが、新聞等で詳しく伝えられているということがあります。
事実、さまざまな指標から判断すると、お隣のインドネシア、マレーシア等が経済発展している一方、パプアは、いろいろな面で悪化しています。インフレは激しいのですが、収入はそれほど上がっていません。
パプア人の変なところなのですが、「パプアが駄目になっていく。」のは、気にしないのに、「パプアが駄目だと思われている。」ことは、ひどく気にします。パプアの場合、経済的に駄目になっても、基本的に、自給自足の生活ができるので、日本ほど、深刻な問題になりません。犯罪の増加についても、年々増加しているので、慣れてしまっているのでしょう。ところが、「パプアが駄目だと思われている。」=「オーストラリアからも見放されるかもしれない。」という発想です。以前、パプアは、オーストラリアから、一番の愛されている国だったらしいです。(っと、パプアの新聞に書いてありました。)ところが、最近は、オーストラリアにとって、パプアは「どうでもよい国」で、インドネシアの方が「大切な国」になってきています。このことを、気にしているらしいのです。
この「パプアについてどう思う?」という質問については、今は、基本的に、答えない。ことにしています。質問があったら、「じゃあ、あなたはどう思うの?」と、逆に質問することにしています。こういう質問をする人は、「世界一の国で、一生住みたい。」とは、思っていないです。たいてい、「いい国だよ。」とか、答えるので、「どこが?」と聞くと、「人が。」と答えます。「あなたにとって、よかったね、〜。」というと、だいたい、パプア人、しょんぼりしてしまいます。
日本人に、「オーストラリアは、嫌い。」、ということを、言わせるために、「俺は、オーストラリアより日本の方が好き。」とか、「オーストラリアは車が作れない、けれど、日本は、車を作っている。」など「変なお世辞」をいう、パプア人が多いです。
日本人に「オーストラリアは、嫌い。」と、言わせたい理由は、日本と、オーストラリアが仲が悪かった時代、つまり、第二次世界大戦中は、もっとも、オーストラリアが、パプアを愛していてくれたという歴史的な経緯にあると思います。そういう質問をする、パプア人は、別に、本当に日本が好きなのではなく、オーストラリアと日本が仲が悪くなるのを期待しているのです。
ただ、自分自身、「オーストラリアは、好きな国の一つ」なので、思ってもいないことを言いたくはありません。基本的に、ほとんどのパプア人は、「日本国」と、「日本人」を、過小評価しています。(実際に、1年とか、日本に住んでいて、流暢な日本語を話すパプア人は、こういうことは言いません。つまり、オーストラリアと日本を比べるようなことはしません。)
なにしろ、パプアにとって、オーストラリアは、神様です。実際、教会関係者も、オーストラリアから来ている人が多いし、・・・。
この質問への対処法は、ケースバイケースなのですが、決め台詞があります。「そんなことはない。オーストラリアは、ナンバーワンの国だよ。」、「もちろん、パプアの中では。(笑)」といいます。あまりにもしつこい場合は、「世界の中では、違うけれどね。」という言葉も、足しますが、・・・。こういうことを言わせようとする人は、オーストラリア大好きという、複雑なパプア人の心境から来ているので、「そんなことはない。オーストラリアは、ナンバーワンの国だよ。」と、持ち上げておいて、「もちろん、パプアの中では。(笑)」と、落とすと、これ以上何も言ってきません。
やや、「喧嘩を売っている。」という面もあるのですが、こういうことを言えるようになって、はじめて本音トークを、パプア人とできるようになった気がします。(ただ、ある程度の信頼関係ができる前には、言わないようにしましょう。)
写真は、昨日の新聞の表紙です。ついに、ATMのスキミング犯罪が、パプアでも出現しました。パプアには、知能犯はいないと言われていたのですが、外国からの知能犯グループが、パプアへ入国したらしいです。